ごあいさつ

経済研究所長・教授 関口 格

経済研究所長・教授 関口 格

京都大学経済研究所は1962年の設立以来、日本の経済学の研究機関として主導的な存在となっています。その強みの源泉は、各所員が持つ強固かつ国際的な共同研究者ネットワークで、これを基礎にして研究所としての強力な共同研究体制を構築しました。研究者コミュニティ全体に、経済研の建物に行けば所員たちに会えて研究交流ができるという認識が定着し、国内・国外から多くの研究者たちが客員などのポジションで本研究所を来訪し、外部に開かれた研究会が多数開催される現在の姿になっています。更にこの研究環境は若手研究者たちを惹きつけ、本研究所は多くの若手研究者を採用・獲得できる体制を確立し、次世代研究者の育成にも貢献できています。

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本研究所は平成22年度より、共同利用・共同研究拠点としての認定を受け続けています。この制度の趣旨は、個々の大学の枠を越えた全国の研究者間の共同研究体制の構築を支援することですが、本研究所が認定以前から構築してきた体制を評価して頂けた結果だと考えております。また当拠点は、認定当初から国際的共同研究拠点の表現を掲げており、その後も海外研究者コミュニティとの共同研究と研究交流を維持・拡充しております。近年拠点制度は、国際的に特に有効性の高い取り組みに対する国際共同利用・共同研究拠点の認定を開始しましたが、そのような流れに沿う拠点活動を最初期から続けていると自負しています。

現在の拠点事業の主柱は、公募による外部の研究者との共同研究プロジェクトです。 拠点の運営委員会が都度設定する、折々の経済諸問題を扱うメインテーマ研究と、申請者自身の提案に基づく一般研究の二つの枠を設けています。2024年度は、 メインテーマ研究課題2件、一般研究課題16件のプロジェクトが進行中です。 これまでプロジェクト研究は、様々な革新的な研究成果に結びつき、また拠点ではこれと並行して研究成果やその発展領域に関連する国際コンファレンス・シンポジウムを開催し、広く発信活動を行っています。

研究者の皆様、「 先端経済理論の国際的共同研究拠点 」のドアは、皆様に向けて開かれています。ご自身が発展させたい・共同研究したい色々な研究テーマを展開する場として、どうぞお役立て下さい。所属大学や世代を越えて個々の研究者のレベルアップを支援し、日本の研究力強化に貢献して参ります。今後も拠点活動の更なる国際化を進め、国際レベルで研究者コミュニティにインパクトを与える組織となり、共同研究のビジネスモデルとしての「拠点」の語が“Kyoten”として英語化する日がやってくるよう努めます。皆様の多大なご支援とご協力、そして何よりも積極的なご参画をお願い申し上げます。

2024年4月

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拠点概要

共同利用・共同研究拠点とは、研究設備や資料・データ等を全国の研究者の共同利用に供し、または共同研究を行うことで、大学の枠を越えた学術研究を効果的・効率的に推進するシステムとして機能する機関であり、文部科学大臣によって認可されます。

京都大学経済研究所は、わが国の経済系研究所群において、唯一経済理論に重きをおいた体制を構築している研究所です。早くから数理・計量経済学の研究拠点として広く内外に認知されており、とくに近年は、マクロ経済動学・空間経済学等の「複雑系経済学」とゲーム理論等の「経済戦略と組織の研究で成果を上げています。

このような実績を背景に、研究者コミュニティーからの要望に応え、平成22年度から平成27年度まで、経済研究所は「先端経済理論の国際的共同研究拠点」として共同利用・共同研究拠点に認可されました。この拠点活動が評価され、平成28年度には、本研究所は共同利用・共同利用拠点として再認定されました。本研究所では、これまでの経済理論研究の国際的な拠点活動を通じて培ってきた、国外・国内の研究者ネットワークを研究資源として外部の研究者に提供します。

先端経済理論研究の国際的根拠

  • 国際的学術誌の編集・発行、研究資源を利用した国際的情報発信の強化
  • 複雑系経済学と経済戦略・組織、数理経済学の国際的な研究ハブ
  • 国際学会、最先端の研究成果に基づく公開シンポジウムの開催
  • エビデンスに基づく政策分析とその現実への応用

同研究プロジェクトの推進

  • 国際公募を含む公募共同研究の組織化(国際性と学際性)ーテーマ型と自由型
  • 経済研究所の共同研究の全国的な広がり
  • 国際会議・研究会の開催支援(公募)
  • 国際的な人的ネットワーク、経済データ等の研究インフラの提供
  • 国際連携の一層の促進

運営組織

運営組織

共同利用・共同研究拠点は主に次の二つの委員会(部会)によって運営されています。まず学外・学内各5名ずつの委員からなる共同利用・共同研究運営委員会があり、拠点事業の要となる公募型プロジェクト研究の実施計画や、各年度毎の課題の選定、その他共同利用・共同研究拠点全般における重要事項をここで審議します。申請されたプロジェクト研究は専門部会(学外・学内各5名の委員)によって審査・選考されます。選考されたプロジェクトは最終的に運営委員会によって承認され、実施されます。

運営組織図

運営組織図

運営委員会委員(学外・学内各5名)

阿部 修人 一橋大学経済研究所・教授
石田 潤一郎 大阪大学社会経済研究所・教授
太田 聰一 慶應義塾大学経済学部・教授
下村 研一 神戸大学経済経営研究所・教授
土居 潤子 関西大学経済学部・教授
原 千秋 京都大学経済研究所・教授
照山 博司 京都大学経済研究所・教授
新後閑 禎 京都大学経済研究所・教授
柴田 章久 京都大学経済研究所・教授
関口 格 京都大学経済研究所・教授

Pacific Economic Review
について

Pacific Economic Reviewについて

Pacific Economic Review (PER) 12月号の(年4回出版のうちの1回)出版を開始しました。この雑誌は、もともと、Hong Kong Economic Association が編集・制作してきた学術誌で、アジア圏を代表する学術誌として、世界の経済学会で高い評価を受けています。従来から編集に携わってきた国立台湾大学に並んで、本年度から、京都大学経済研究所が編集に参加することで、東アジアを代表する専門学術誌の地位を築くことを目指しています。

とくに、PER はISI社が出版しているSocial Science Citation Index の中にも収録されている一流学術誌であり、世界の研究所コミュニティーに最先端の研究を発表する機会を提供することで、将来の経済に重要な研究をする役割を担っています。今後、アジア圏の諸国が急速に国際的影響力を増していく中、そのことが我が国の経済学コミュニティーの振興に大きな力となると考えます。経済研究所先端政策分析研究センターの共同での発行により、先端政策分析研究センターに所属する政策関係機関からの出向者からの協力を得て、現実の政策分析という、これまで、PERのスコープに入らなかった分野にも守備範囲を広げました。経済学・経済政策にかかわる多数の研究者からの投稿をお待ちするとともに、レフェリー活動などを通じたご協力をお願いいたします。

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